もう1つ、イマジネーションと似ているのが「アソシエーション(association)」です。これは「関連付け・連想」といった意味で、たとえば「山登りをしたら転んで大変だった」という話を聞いたとき、実際に登ったことがなくても、自分の経験に近いものと結びつけて連想して理解することです。

 俗にいう「右脳」の使い方のうまい人、「右脳モード」の人は、このイマジネーションとアソシエーションを自然に使っています。英語を読んだり聞いたりしたときにも、自然にイメージが湧いてきて、ラクに高速で内容を理解できるのです。

 それに対して、いわゆる「左脳モード」の人は、単語1個1個の意味を考え、それを文法に沿って積み上げてきっちり理解しようとします。この方法では、理解に時間がかかり、一生懸命理解しようとして力んで疲れやすく、木を見て森を見ずになりやすいのです。

いい加減が“いい”加減?

 英語を長年勉強しているのに、なかなか英語力が伸びないと悩んでいる人の特徴に、「頑張りすぎている」ことが挙げられます。

 日本語であれば、読む対象にもよりますが、読むときに「ちゃんと読まなくては!」と頑張る人は比較的少ないでしょう。特に、雑誌や漫画などを読むときは、何気なくサーッと読んでいるのではないでしょうか。しかし、英語を読むのが遅い人は、以下のようなクセを持っています。

・しっかりきっちり読まないと理解できないという意識がある
・したがって、一字一句を目で追って読もうとする(顔を横に動かして読むこともある)
・そのとき、脳内や実際に口を動かして音読する。音読しないと理解しにくい
・単語ごとの意味を考えて組み合わせ、文法に当てはめて理解しようとする
・知らない単語やわからない部分があると止まる、または返り読みをする
・焦って目が泳いだり目だけが上滑りしたりして、意味が入ってきにくい
・英語を和訳する。和訳しないと理解できない
・そもそも英語自体や英語を読むことに苦手意識がある

「英語はきっちり理解しなきゃ」という意識は、「広く眺める」ことを難しくしてしまいます。したがって、こうした「きっちり」「しっかり」「ちゃんと」といった意識を手放し、気楽に英語と向き合うことが大事です。