言い換えると、英語のリーディングやリスニングにおける理解(インプット)は、「いい加減」なくらいが「“いい”加減」ということです。

「いい加減」とは、心も体もリラックスして、細かいことを気にせずに5~6割程度の理解で全体像(概要や重要なこと)を捉えられればいいやと気楽に思うこと。そうした気持ちで英語に向き合うことで、右脳モードになり、スッとイメージが湧いてラクに速く理解しやすくなります。

アウトプットでも、いい加減を大切に

「いい加減が“いい”加減」はアウトプットにおいても同様です。

「ちゃんと正確な英語を話さなきゃ」と思うと、脳が左脳モードになって、浮かんできた日本語を訳すことに一生懸命になり、英語がうまく出てきません。

「少しくらい間違った英語でもいい」「重要なことが伝わればいい」くらいの気楽な感覚(=いい加減)で臨みましょう。すると右脳モードになり、伝えたいことが英語で出てきやすくなります。

 それでも、会話中に日本語が先に浮かんでしまうのは、よくあることでしょう。

 例えば、相手が自分に自信がなくて、やりたいことを行動に移すのに躊躇している状況のとき。「背中を押してあげたい」という日本語が浮かんだとしても、左脳モードになっていると「背中を押すって何て言うんだっけ?」とぐるぐる考えてしまうことがあります。

 そんなとき、右脳モードに切り替えられれば「○○さんならできるよ」という応援したい気持ちに気づき、「You can do it!」といった簡単な英語が出てきたりします。

 大体の内容や気持ちが伝わればいいという気楽な感じでいれば、日本語が浮かんだとしても、英訳するのではなく、伝えたいことのイメージが湧いてきて、イメージを表現する簡単な英語表現が思いつきやすくなるのです。

 このように、インプット、アウトプットの両面において、ある意味「いい加減でいいや」と心身ともにリラックスすると、左脳モードから右脳モードに切り替えられます。

 英語に限らず、何事においても性格的にきっちりしないと気が済まない方がいらっしゃるかもしれませんが、それを手放すことで、新たな自分の可能性を発見できるチャンスが生まれます。

 是非、思い切って「いい加減が“いい”加減」を実践してみてください。