「大学院を中退後、しばらくブラブラとニートをしていて、それから発達障害の就労訓練事業をしているところで訓練を受けました。私としては最低2カ月は訓練を受けたかったのですが、1カ月の訓練を終えた時点で団体の代表から猛烈に『早く就職しなさい』と言われたんです」

「そこでハローワークの障害者ブースに行ったら予備校の教材部の求人があって、障害者雇用でパートという形で入社しました。でも、その会社特有だと思うんですけど、なぜか『障害をオープンにしないでくれ』と言われたんです」

 高橋さんは障害者雇用で入ったこの会社を3年で辞めている。数学科に所属していたが、別の科の社員でそりが合わない人がいたのと、大学生のアルバイトがバイトリーダー的な存在となり、大学生の部下になってしまったことを惨めに感じてしまったのだという。体重もさらに落ちて40kgを切ってしまい、「これは危ない」と思って退職した。

 2社目も教材関係の仕事に就いた。ここではクローズ(自身の障害を企業に開示しない)で、派遣として入社した。この会社がブラックだった。

「数学課の社員の方がパワハラ気質の人で、何をやっても怒られました。私が入社する前に私のポジションにいた人は男性だったらしいのですが、その人が職務中に泣いたというレベルのパワハラ具合で。私もパワハラが嫌になって2~3日無断欠勤したこともあって、もうクビでいいと思ったこともありました。それでも派遣元から『無断欠勤した期間は有給ということにしてあげるから戻ってこないか』ということを言われて戻りました」

「派遣は3カ月ごとの更新制なので、次の更新はもうないだろうなと思っていたら、なぜかまた『お願いします』と言われて。結局2年少々引っ張られて在籍し、最後はもうこっちから辞めたいと言って辞めました」