ご自身の経験を振り返ってみてください。アルバイトで最初にお客様に「いらっしゃいませ」と言うとき、緊張で声が震えたかもしれません。けれどもそのうち、自然に言えるようになりましたよね。クラスで初めて一緒になった同級生と友達になろうとして話しかけたときも、緊張したはずです。でもそのうち打ち解けて、つまり「慣れて」、リラックスして話せるようになったでしょう。

 同様に、就活で学生は普段接しない年齢層や、目上の大人と話すことに慣れていないため、面接で緊張してしまいます。これはしごく当然のことで、単純に経験が足りないだけです。慣れるには、やはり回数を重ねる以外にはないのです。それには、やはり回数を重ねる以外にはないのです。結局、企業研究を継続することで、ESを出して通る確率も高まり、面接に呼ばれる確率も高まり、何度も面接を経験することができます。やはり面接への対応力も動き続けること、活動量に関わってくるということになります。

 もちろん、人の心をつかむ天性の才能がある人もいますが、それは何千人にひとりのレベルでしょう。とにかく、できるだけ早く企業研究(動画視聴)から始めて、就活のための行動を継続することです。

「商社以外は行きたくない」はダメ
選択肢を広く持つことが重要

 もうひとつ大切なことは、選り好みをしないことです。時々「商社以外は行きたくない」「エンタメ企業以外は見ていません」と言って、ひとつの業界や憧れている会社しか受けない人が結構います。しかし、それは絶対にやめておきましょう。なぜなら、業界や企業を絞り込みすぎると「慣れる」前に就活が終わってしまうからです。

 内定を複数持っている人は、必ず憧れの会社だけに絞り込まず、「このへんだったらいいかな」というくらいに特定の企業や業界にこだわりすぎず、ある程度幅を広げながら、複数の選択肢を持っています。これもまた、活動量を多くするということにもつながります

 インターンシップが採用に直結するようになり、就活は長期戦となりました。選択肢を広く持ちながら、早くから始めてこつこつ続けること。これだけが内定に近づくコツです。ある意味では、誰にでもできる簡単なことです。どうか今日から始めてください。

(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)