こうして締めくくられたスピーチでジョブズが学生たちに贈った言葉は、ジョブズが思い描くハングリー精神を端的に表し、あまりにインパクトが強いものでした。

 聞き手も自分たちを鼓舞してくれる言葉として、ハッとさせられ、さらには覚えやすいフレーズだったこともあり、誰にとっても心に残る名言になったというわけです。

 これが「雑誌の裏表紙にこんなふうに書かれていた」と説明しただけでは、ここまでの広がりはなかったように思います。

 最後に念押しで、この短く濃い言葉を繰り返して締めくくった粋な使い方。この提示方法こそが言葉自体にインパクトを与え、名言として引用された言葉以上に名言化されたのでしょう。

 そして波乱万丈の人生を送ってきたジョブズ自身の心が動いた言葉だからこそ、誰しもの心に刺さったのだと思います。

「引用力」を高めるにはどうしたらいいのか

 近年は、ジョブスのような海外の経営者はもちろんですが、日本の経営者などでも、どんどん人前に出てプレゼンテーションする方が増えています。

 そのとき誰もが大切にしているのが「話題にしたくなる要素」を盛り込むこと。つまりは「引用力が高い」ことなのです。

 そもそも「引用力が高い」とはどういったことでしょうか。端的に言えば、

 多くの言葉や情報の引き出しから、
 最適な材料を取り出し、
 話題をパワーアップさせる

 そんな力が高いということです。

 では、「引用力を高める」ためのポイントを見ていきましょう。