難しい語彙の知識を得るための基礎が、実は毎日食べているプレーンヨーグルトにあったというわけです。逆にこの基礎を理解していないと、「explain」という英単語を勉強したとしても、「explain=説明」という丸暗記しかできなかったはずです。

 このように、みなさんの身の回りの簡単な言葉の中に、「きちんと意味を理解するとより難しい語彙の知識を得ることができるような言葉」が眠っているのです。そういった意味で、まずは身の回りの、自分たちがよく使っているような言葉に対して、「これってどういう意味だっけ」としっかり向き合っていく必要があるのです。

同じような意味に見えて少し違う
「二つの言葉の使い分け」が重要

 先ほどの「プレーンヨーグルト」の例は、「一つの言葉を深く掘り下げる」ことでほかの言葉に応用するものでしたが、「二つの言葉の使い分け」というのも重要です。

 たとえば、みなさんは「信用」という言葉を使いますか。おそらくは、「お前のことを信用しているよ」なんて言って使うと思います。でもこれ、似たような言葉で、「信頼」という言葉もありますよね。

「信用」と「信頼」。この二つの言葉の違いを知っていますか。これって同じような意味に見えて、実は少し違う意味になるんです。どう違うのか、わかりますか?

 答えを言うと、「信用」と「信頼」は、過去と未来の違いです。

「信用」は、過去のその人の行動などに鑑みてできていくものです。「この人のことは、信用できるよ」と言ったら、その人の過去の行い・言動から考えて、信用できるかどうかを判断していることになります。

「信頼」は未来のその人のことをどれくらい信じることができるかを考えるものです。

「この人のことは、信頼できるよ」と言ったら、あまりその人の過去を知らなかったとしても、直感的に一緒に居て気持ちがいいとか、少し会話して「この人のことは信じてもいいんじゃないか」と思ったとか、そういうことを考えて判断をしていることになります。

 過去の客観的な事実を参照して判断するのが「信用」であるのに対して、未来のことを考えて、主観的にこの人とやっていけそうだ、というのが「信頼」です。