自分だけの「こだわり」が
自分のしんどさにつながる
「頑張っているのに、なぜか思うようにいかない」
と悩んでいる方を多く見かけます。
はたから見ても、ものすごく頑張っているのはよくわかる。けれど、それに結果が伴わない。やる気だけが空回りしている状態です。
空回りしている人には、いくつかの共通点があるように思います。それは
・こだわりが強い
・でも相手が何を求めているかがわかっていない
・なので自分ルールの中で動いてしまう
です。
以前、こんなことがありました。
企画部所属のAくんは、担当の営業の人から企画書を頼まれました。Aくんは「自分の実力の見せどころだ!」とものすごく張り切り、連日残業して、細部にまでこだわりまくった企画書をつくり上げました。「必要な内容はすべて盛り込んだので、きっとよろこんでもらえるに違いない」と思いながら提出したのですが……。
それを見た営業の人は、「こんな分厚い企画書、重くて持ち歩けません。それに、どこから見せたらいいのかもわからないし……」と非常に困った様子でした。
冷静に考えると、使う側の立場になれば、何十枚もの重い企画書を何部も持ち歩きたくないのは当然ですよね。
伊庭正康 著
それに、商談は少なくとも1時間以内に終わらせる必要がありますから、紙芝居のように何枚も何枚も紙をめくりながら、のんびり説明するヒマはありません。
使う側からすると、企画書は多くても3枚程度。そして、スキルのない人でも要点を相手に伝えられるような、簡潔でわかりやすい資料を求めているはずです。
Aくんは言います。「オレ、不器用なんです」と。
でも、それは違います。誰のためにもならない「こだわり」は、相手のニーズを無視しているだけのこと。
空回りをしないためには、相手のニーズを想像することが絶対のルールなのです。