【1】体幹全体に力を入れて安定させる(正しい姿勢を保つ)

 腹筋と腰の筋肉、腹斜筋、殿筋を含めた体幹全体は、脊柱を支え、しっかりと安定したカタチに保ちます。このように支えられた姿勢を保つことで、腰が曲がるのを防ぐことができるだけでなく、逆に腰が反りすぎないようにすることもできます。

 プランクやホローホールドを思い浮かべてみてください。これらのトレーニングをするときは、脊柱を一定のポジションに保つために体幹の筋肉を引き締めているはずです。

【2】体幹をひねる

 体幹は胴体をひねる役割も担っています。

 両足を前に出して座った姿勢を保ちながら身体を左右にひねる動作は、腹筋、腹斜筋、そして腰とお尻の筋肉を使います。身体をひねる動作は、毎日のように行っているにもかかわらず軽視しがちですが、鍛えておいて損はありません。

 トレーニングマシンのウエイトなどに抵抗して胴体をひねるには、体幹が十分に強靭でなければいけません。ロシアンツイスト(筋トレ器具を持った状態で腹部をひねる)などのトレーニングを思い浮かべれば、体幹をひねる動作がどういうことか理解できるでしょう。

【3】体幹の固定力を鍛える:アンチ・ローテーション

 体幹は胴体をひねらないようにする…つまり、「アンチ・ローテーション」の役割も担っています。では、この動きを試してみましょう。

・腰から肩まで前を向いて直立します。
・そして、誰かに右肩を押してもらい、押す力に抵抗して直立姿勢を保ってください。

…この押された力に反発しようと働くのが体幹ですが、直立姿勢を保ち続けるにはかなりの強さが必要です。体幹トレーニングをするときに身体をひねらないように意識して取り組むと、この強さを身につけられます。

参考筋トレ「プランク・リーチ」。 Courtesy of Men's Health US

 その例として考えつくのは、プランクの姿勢で腕を伸ばす「プランク・リーチ」や、不均衡な姿勢のホローホールドなどの応用トレーニングですね。 

【4】脊柱を屈曲させる

 脊柱を屈曲させると背中が痛くなる…そんな根拠のない非難を浴びがちですが、この動きは決して有害ではありません。

 胴体は構造上、脊柱を屈曲させるようにできていて、その動きを制御するのが腹筋です。ここで肝心なのは、身体自体が脊柱の屈曲をコントロールすることです。意図的に脊柱を屈曲させてはいけません。身体を傷めるなどの問題が起こるのは、動きをコントロールできていないときだけです。

 基本的な腹筋運動(シットアップ)は脊柱を屈曲させる動きを取り入れたトレーニングの一例です。