目を離した隙に遠隔操作で振込金額に「0」が3つ加わり、49万円が送金されてしまいました。
このような巧妙な手口が日々、開発されています。防御のための知識として知っておいてください。
21歳女性コンビニ店員に
かかってきた不思議な電話
ここからは、これから明るみに出るであろう詐欺に関する相談がありましたのでご紹介します。
熊代希美華さん(21歳女性)は勤め先のコンビニでの勤務中に電話を受けました。
男性「もしもし、子ども生活センターの者ですが」
希美華さん「はい」
男性「そちらに20代の女性で弟さんがいらっしゃる方はいますか?」
希美華さん「私に2つ下の弟がいます」
男性「非常に大事なプライバシーに関わることですので、ご本人確認をしたく、お名前お伺いできますか?」
希美華さん「熊代希美華です」
男性「おいくつですか?」
希美華さん「21歳です」
男性「弟さんのお名前は?」
希美華さん「翔です」
男性「ご本人確認が取れました。数分お話は可能ですか?」
希美華さん「はい、今でしたら」
男性「では希美華さんのお電話にかけ直しますので、番号を教えてください」
希美華さん「はい、(個人所有のスマホの番号を伝える)」
程なくスマホにかかってきた電話は“非通知”でしたが、希美華さんは通話を開始しました。
男性「希美華さんの弟の翔さんから相談を受けました。翔さんは希美華さんを姉ではなく女性としてしか見られなくなったそうです」
希美華さん「……(パニック状態)」
男性「つきましては、解決に向けてお話しさせてください、今から大丈夫ですか?」
希美華さん「今は仕事中ですので、明日の午前10時はいかがでしょうか?」
男性「分かりました、ではかけ直します」
希美華さん「すみませんが、なんで非通知なんですか?」
男性「プライバシーを守るためと、間違った番号にかけてしまった際の対策で非通知でかけています」
希美華さん「担当の名前を教えてください」
男性「私は確認担当ですので、明日正規の担当者からの電話の際にお伝えします」
電話が切れた後の希美華さんは、弟の翔さんの顔が浮かび、胸が苦しくなったそうです。残りの勤務時間は放心状態でほとんど記憶がなく、退勤後は翔さんと両親と住む家に帰る気になれず、車の中で一夜を過ごしました。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。