2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「福耳の人」や「目が大きい人」は、なぜ、うまくいくのか

「福耳の人は成功する」「福耳の人は運がいい」という言われ方をしますが、これはあながち、間違いではないと思っています。

 福耳というのは、耳たぶが大きく、長いことを言います。福耳の人は、事業などに成功する確率が高いと言われていますが、とはいえ、「生まれつき福耳であれば、何もしなくても成功する」ということではないようです。

 人間の耳は、親から受け継いだ遺伝子の通りに、ある形をしています。ところが、「人の話をよく聴こう」という意欲が自分の中に湧いてくると、どうも、耳たぶが発達するらしいのです。

「人の話を聴く」とは、「時間をかけて、ただ聴いている」という意味ではなくて、「人の話を取り入れる」ということです。

「人の話を取り入れる気はない」と思っている人は、耳たぶが、だんだん縮んできて、耳が切り立つらしいのです。

 逆に、「人の話をたくさん聴いて、自分の中に取り入れ、より幅の広い人間になろう」という意欲と決意を持っている人は、どうも耳たぶが発達するようなのです。

 ある宿の経営者の方が、かなり小さな耳たぶをしていたので、「もしかしたら、他人の話をあまり聴いてこなかったのではありませんか?」と聞いたことがありました。

 すると隣にいた奥さんが、「本当にこの人は、他の人の話に耳を傾けたことがないんです。親や兄弟の言うことも、いっさい聴かない。会議をしても、常にこの人の声だけが大きくて、他の社員がみな黙ってしまいます。この人はそういう人なんです」と言いました。

 私は、「人の話を聴くようにすると、耳たぶが発達して、福耳になるようです。福耳になれば、事業も成功するかもしれませんね」とお伝えしました。

 それから、しばらく経って、その経営者に再びお会いしたときのことです。

 その方の耳たぶが、少しだけ下に出ているように見えたので、「人の話をだいぶ聴くようになったのではないですか?」と尋ねると、「そうなんです。人の話の中には、おもしろいことが、たくさんあることがわかりました」と答えました。

「人の話を聴こう」「自分の役に立つことやおもしろそうなことを、少しでも聞き逃すまい」と思うと、どうも、耳たぶが発達するらしい。

「福耳の人は成功する」と言われているのは、「人の話をよく聴くから耳たぶが発達する。そして、役に立つものやおもしろそうなものを取り入れ、実践するから事業的にも成功しやすい」ということなのではないでしょうか?

 耳と同じように、「目」を大きくする方法もあるようです。その方法とは、自分のまわりの現象や人、本に対して、「すべてのものが手本であり、素晴らしい教材になるかもしれない。だから、見逃さずに教えてもらおう」と思い、目を見張ることらしいのです。

「たくさんのものを見て、よりよい教材を見つけ、自分の中に取り入れていこう」と思っていると、目が大きくなるらしいのです。そして、取り入れ、実践した結果として、業績が上がることがあるようなのです。

「自分の顔」は、親の遺伝子だけで決まるのではないと思います。自分の顔は、かなりの部分をつくり変えることができるようです。

「人から学ぼう」「人の話をおもしろがろう」という気持ちを持っていれば、福耳になり、目も大きくなって、うまくいくらしいのです。