駐車場のガラ空き問題

 リーマンショック前は、僕はこれは不変のルールじゃないかと思っていた。でも違っていた。
 先ほど挙げた居室と駐車場の違いという点は、時代を超えて不変のルールだと思う。でも、その不変のルールが拠って立つ経済構造は不変ではないことに思いを致さなければ勝てない。

 以前の『週刊ダイヤモンド』でも問題になっていたようにこの駐車場のガラ空きがいま問題になっている。https://diamond.jp/articles/-/16432

 自動車検査登録情報協会が1975年(昭和50年)に統計を取り始めて以来、実に32年間にわたり世帯当たり保有台数は一貫して増加し続けていた。これは平成始めのバブル崩壊の時期にさえ継続した傾向だった。
 ところが2006年(平成18年)から6年連続して減少するなど、まるっきり前提条件が変わってしまったということだ(グラフを参照)。

 理由は複合的なものかと思われるが、一言でいえば車というものに対する価値観が変わって車ばなれが進んだということ、世帯構成が子どもが成長して車を必要としない夫婦のみの世帯になった、購入する資金的余力がなくなった等かと思われる。

 つまり大きな社会情勢の変化、時代の空気の変化によって不変のルールが拠って立つ「車というものは必要なものだ」という大前提が32年ぶりに転換点を迎えてしまったということだ。
 兆候は世帯当たり保有台数に数年前からあらわれていたが、これが不動産投資の業界でも顕在化してきたということだ。