他者を攻撃すると、幸福度は上がる?
そもそも他人に対してネガティブで攻撃的なコメントをすることは、その人のメンタルヘルスの不調の表れでもありうるのです。空腹だとイライラしてくるように、身体的に、あるいは精神的に満たされていないと人はちょっとしたことで攻撃的になりキレやすくなってしまいます。
簡単に発散できるネット環境に自分の攻撃性を向けてしまう。そんな行動の裏には「ネガティブな気持ちを晴らしたい」という気持ちがあるのだと思います。
しかし、実際には他者を攻撃したりいじめたりすることで、気持ちが晴れる効果はそれほどないことが多いです。むしろ自分の幸福度は上がらず、逆にイライラしたり、モヤモヤとした気持ちが増したりすることもあります。ですから、不安や怒りなどの強い感情が芽生えたときにはすぐに反応せずに一息ついてみること。
瞬間的に燃え上がっている感情に気づいて「今、このことをSNSで書くことが本当に自分のためになるだろうか。自分の発言に責任が持てるのだろうか」と、問いかけてみることが大切です。
鬱屈したストレスを解消するには、身近な誰かに話して思いを聞いてもらうのもいい対処法です。強い感情は少し待つと完全にはなくならなくともある程度収まってくるものです。SNSを見るのをやめて、好きなことをしたり、気分転換をしたりすることも有効です。
いじめられる側に立ったときにも、一度立ち止まってみましょう。
自分は攻撃されるべきことをしただろうか。攻撃の言葉は真摯に書かれたものだろうか。反撃することで今の状況が変わるだろうか。今反撃することで自分の抱く感情は変わるだろうか。今後違う形で反撃できる機会はあるだろうか。
内田舞 著
私も過去に「今反撃する意味はない」と感じた炎上を経験したことがありましたが、そのときはSNSを1週間ほど閉じて、いつもどおりに仕事をしたり、家族と過ごしたりして自分の心を労わる時間を持ちました。
SNS内で起きていることがとても大きなことに思えてしまっても、一回閉じてみると、実世界で隣にいる人やすれ違う人は、そんなSNSの世界で起きていることをまったく知らないどころか興味もないということが多いという事実を実感することができ、ほっとする体験でした。
自分の心を守るためにも、意識して切り替えを行うことが今の時代にはとても大切だと思っています。