日産自動車の内田誠社長とホンダの三部敏宏社長Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

電気自動車(EV)の劣勢を挽回するため提携の検討を始めた日産自動車とホンダ。ただ、EVの電動駆動モジュール「eアクスル」やソフトウエアの開発は、トヨタ自動車に大きく引き離されている。提携が実現したらトヨタに対抗できるのか、四つの指標(次ページの表の赤字部分)から提携効果を分析する。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

日産・ホンダ連合に勝機はあるのか
四つの指標からトヨタとの実力を比較

 もし日産自動車とホンダが提携したら、トヨタ自動車に勝てるのだろうか。東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストの協力を得て、四つの指標から「日産+ホンダ」連合とトヨタの実力を比較してみた。

 まず、比較するのは世界の販売台数だ。提携が実現しても、現状ではトヨタ(連結対象の日野自動車とダイハツ工業を含む)を超えることはできない。日産とホンダの世界販売台数の合計は約500万台となるが、トヨタの800万台超には遠く及ばない(いずれも2023年4~12月期の累計)。

 1台当たりの営業利益も大きく差がついている。トヨタは人気車種が多い上、量産効果も大きく、1台当たりの営業利益は58万円に上る。日産の同12万円、ホンダの同18万円とは比べるべくもない。

 世界の販売台数や1台当たりの営業利益ではトヨタと大きく差がついている状態だが、提携の実現で勝る部分も存在する。

 次ページでは、四つの指標のうち、日産・ホンダ連合が勝る指標について紹介する。