また、国の定める国内線の着陸料体系は、航空機の重量に応じて徴収する体系から主に旅客数に応じて徴収する体系に見直されてきている。そのため、航空機燃料譲与税は、各空港の空港対策費と関わる外生的・客観的な基準で配分することが望ましいという判断から、「航空機の重量×着陸回数(延べ重量)」と「旅客数」が、24年度から配分の新たな基準として導入されることになった。これらの指標は、着陸料とは異なり、物価の影響を受けないという点でも、より良い基準と言えそうである。

 結果として、「延べ重量」「旅客数」「騒音世帯数」の三つの基準を用い、配分総額を1:1:2で分割し、それぞれ配分することとなっている。加えて、各指標の値が増えるにつれて比例的に各空港の空港対策費が増えるわけではないため、小規模空港に傾斜的に配分する仕組み(補正)も、手厚くすることになった。

 なお、これらの基準は、国内線の数値から計算される。実際は、空港対策において、国内・国際を区別する理由はないが、原資となる航空機燃料税が、歴史的経緯から、国内線の燃料のみに課されていることが背景にある。

 空港は、地域の生活・成長には欠かせないインフラとなっている。その一方で、地域住民・企業と共生するためには、日ごろからの対話や、騒音対策は欠かせない。そのための資金は、真に必要なところに配分されることが望ましい。そのための基準がこのたび、新たな時代にふさわしい形で改訂されたことは、今後、空港が地域に持続的に貢献していくという意味でも、意義のある改訂である。