仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は、「飲み会のマナーに関する根本的な考え方」を紹介しよう――。
「お酌」するべき?しなくていい?
歓迎会シーズン。
「とりあえず飲み放題かどうかは確認しておいて……会食中はビールのラベルを上に向けて、グラスが空いたらちゃんと注ごう。あとは当日失礼のないように気をつけなくちゃ……」
という、ビジネス会食初心者の方もいるのではないだろうか。
特に「お酌」については、「悪しき風習だ」「時代遅れだ」という声もよく聞かれる。グラスが空になったら瓶を持って注ぎに行く。注がれる方はグラスを両手で持つ。注ぐ方は泡ができるだけでないようにする…など、数々の“マナー”が存在するのも事実だ。
「お酌が面倒…」というのは、歓迎会・会食が嫌になる理由の一つでもあるだろう。
マナーに縛られすぎずに、大切な本質を見よう
しかし筆者は「大切なのは、表層的なマナーではなく、その裏にある本質」だと考えている。つまり、目の前のマナーを守ることよりも、「相手が楽しいと感じているか」を中心に考えるのだ。
実際、お酌について相手が「気にしないでいいですよ」と言っている時には、本当に気にしなくていいことのほうが多いだろう。お酌を堅苦しいと感じる人がいるのも事実である。
そうであれば、一般的なマナーに縛られすぎず、その場で臨機応変に対応しよう。相手とのコミュニケーションを取り互いの理解を深めることに集中したほうがいいこともある。
ただ、「お酌」というマナー・文化そのものがあることを知らないのはリスクが高い。「お酌」というマナーそれ自体が存在していることを知ったうえで、「するべきか」「しなくてもいいか」を判断するのが最適だと私は考えている。「そんな文化しょうもない」と意気込んで、特に下調べや予習もせず歓迎会・会食に望んだ結果、「礼儀を知らないやつだ」とみなされてしまうリスクもゼロではない。そんな些細なことで減点されるのも悔しかろう。
最低限の知識として、事前に履修はしておく。しかしいざ現場においては、「マナーを守らなきゃ」とガチガチになりすぎずに、目の前の状況と会の目的を踏まえて最善だと思えるアクションを取ろう。
(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)