六角柱型の景品の獲り方
UFOメカの下降制限にも注意

 別の形のプライズについても見てみましょう。

 これも2006年のある日のことです。あるゲーセンに、図表35(a)のような六角柱型のプライズの箱が、2つの台LとMの上に置かれていました。図中のx軸は左右、y軸は奥行き、z軸は上下の位置を示します。

図表35同書より 拡大画像表示

 箱の色は赤で、その中に袋詰めチョコレートが詰まっていた記憶があります。図表35では、簡単にy軸に平行な配置のみを描いていますが、実際にはさらに、x軸に平行に配置されたプライズもありました。また、台LとMも同じ六角柱型プライズでした。図表35(b)は、その様子を横から見たものです。2つの台(LとM)は正面から見たとき向きに、x軸方向に平行に置かれていました。ここでは図中のGの位置に重心があったと仮定しましょう。

 このプライズを、UFOメカの操作とアームの動作で落とし口まで近づけて、図表35(c)のようになったとします。プライズの右端は台Mにかろうじて載っている程度で、全体に左側に寄り、プライズの左端は落とし口にかかっている状態です。

 ここで考えるべきは、台Lの角Pを支点として、Pを通る鉛直線より左側にGを寄せる方法です。これができれば、プライズの箱はPを中心に左回りに転倒し、落とし口へ。プライズゲットとなります。

 GをP上の鉛直線より左側に移動させるには、どうすればいいでしょう?作戦の一つとして、図表35(c)のように、UFOメカやシャベルでプライズの左端を下向きに押す(つまり、力F1を作用させる)というやり方があります。

 また、このクレーンゲームのアームが十分大きいのであれば、台LとMの間にシャベルを入れて、UFOメカが引き上がるときにシャベルによって生じる上向きの力F2を、プライズに作用させる方法もあります。GはPの周りを左回りに回転するでしょうから、その結果、GをP上の鉛直線より左側に移動させることができそうです。

 しかしここでも、UFOメカの降りる位置がひもなどによって制限されていると、箱の左側を下方向にF1で十分押し込むこともできなくなりますし、F2を使って箱の右側を(Gより)引き上げることもできなくなります。GをP上の鉛直線より左側に移動することが難しくなります。