「歓喜」とは浄土へ行ける喜びと感動
「お盆」の由来は梵語の「ウランバナ」

このうえない喜び同書より転載

「歓喜」は喜びを意味しますが、これも仏教語です。「歓喜」は梵語プアムディターの漢訳で「かんぎ」と読み、宗教的な喜びのことを言います。

 お釈迦様の教えを聞いたり信心したりすることで、死後、浄土(仏国土)にいけることがわかったとき、深く感動して身も心も喜ぶ状態になります。これが「歓喜」です。

「盂蘭盆会」という言葉を耳にしたことはありませんか?「お盆」の正式名称です。旧暦七月十五日を中心に十三日~十六日に行われる仏教行事で、大勢の人で祖先を供養することで苦しみの世界へ堕ちたご先祖さまを救い、今生を生きる人も幸福を得られるとされています。

 盂蘭盆会は梵語の「ウランバナ」のことで、浄土真宗では、盂蘭盆会のことを「歓喜会」とも言うそうです。また七月十五日のお坊さんたちの修行が終わった日を「歓喜日」と言うとのことです。

 菩薩の修行の五十二段階のうち、第四十一位から五十位までの階位を「十地(じゅうじ)」というのですが、その菩提の十地の初めの地は「歓喜地」で、これは菩薩がはじめて真実が何かを明確に体得し、すべての人は平等に仏になれるとの確信を得て、このうえない喜びに包まれる境地のことを言います。

 もし菩薩のように、すべての人の救いを願うことができたら、世界はもっと平和になるのかもしれません。