スタイリングやインテリアの雰囲気は独特。レクサスSUVとの兄弟関係をあまり感じさせない。とはいえ上質感という点ではレクサスそのもの。なかなかデザインコンシャスに仕上がっている。

 中でもタイヤが18インチと大きく、踏ん張っていて素直にカッコイイ。デザイナーはタイヤを思いっきり強調して全体のパッケージを考えるとともに、低重心を強調した“鏡餅”プロポーションを追求したという。ここまで安定したフォルムはちょっと心当たりがない。

 開発においては、従来の手法や制約にとらわれず、エンジニアリングからの見直し、プラットフォームの大改良とプレス技術の限界に挑戦した。その甲斐あって、ダイナミックでエモーショナルなデザインが実現できたのだ。ボディサイズは4190×1825×1545mmと使い勝手に優れる。

 インテリアは質感が高く、デザインも凝っている。当初100台限定で展開したLBX専用の“Bespoke Build(550万~576万円)”は別格だが、通常仕様でも“Cool”と“Relax”という2つの個性が同価格(460万~486万円)で選べ、内外装のカラーコーディネートをはじめ、ホイールやシートなどが差別化されている。

 車内は適度にタイト。前席は乗用車的なポジションとしつつ、後席は狭いと感じさせないようにアップライトぎみに設定されている。後席は身長175cmの筆者が座っても頭上とひざ前に余裕が残る。ラゲッジスペースはサイズのわりに広い。

目指したのは、いつまでも走っていたくなるクルマ
1.5LHVはパワフルで静粛、燃費も優秀

 走りはプレミアムカジュアルを掲げる小さな高級車としてふさわしく味付けされていた。いつまでも走っていたくなる楽しさを追求したという。開発にあたって重視したのは、人の感性に寄り添うこと、レクサスのDNAでもある静粛性と乗り心地、そして電動化技術だ。

 まずドライバーとクルマとの一体感を高めるドライビングポジションにこだわり、ヒップポイントを低めにし、ステアリングホイールとフットペダルの位置や角度を最適化。操作性の向上を図った。そのうえで基本性能を徹底的に磨き上げ、音や振動などの不要な雑味をなくし、音の発生源を抑えるための源流対策に取り組んでいる。