(4)初心者マークを付ける:久しぶりの運転となれば、「自信がないから初心者マークを付けたい!」と思う人も多いのでは。道路交通法を調べたところ、“自動車免許を(再)取得してから1年未満”の人は初心運転者標識(初心者マーク)を貼ることが義務付けられているが、免許を取って1年以上の人が付けてはいけないという記述はない。自他共に認める運転初心者である私が貼っていても全く問題はないのだ。しばらくの間は付けるつもりなので、この黄色と緑のステッカーを貼ってもおかしくならない色の車を探したくらいである。そして、私が経験した限り、このマークを付けている車に、基本的に運転の先輩方は優しい。いますぐ、注文しよう。300円くらいでネットで買える。

(5)1人で運転してみる:1人でドライブをしてみよう。運転初心者にとっては、助手席に誰かがいてくれたほうがラクなときと、その真反対のときがある。左に合流する場合などには誰かが「はい今大丈夫だよ~」などと言ってくれると有難いし、分かりづらい交通標識がある箇所などで「これ、行っていいのかなぁ」などというボヤキ・ちょっとした疑問を受け止めてくれている人がいるだけで安心するシーンがある。その一方で運転に慣れた身内などが隣にいると、「今、危ないって思われたよなぁ」、などと余計なことで心がざわざわすることもある。なので、すこし慣れて車の操作くらいは問題なくなってきたら近距離でいいので、1人でマイペースに運転をしてみることをお勧めしたい。好きな場所に行って、存分に駐車の練習をするのもいいと思う。

 水泳や自転車のように「一度できるようになると、なぜか一生できるもの」がある一方で、英会話や運転スキルは、「間があいてしまうと怖くなったり、センスが錆びつくもの」の一つだと思う。運転も、一度息をするようにできるようになれば、前者の仲間入りを果たすのかもしれないが、我々ペーパードライバーズは、まだしばらくその域にはいけないだろう。

 よって、講習後が大切だ。自分で車に乗ろう。

「運転スキルを冷やかされる問題」の乗り切り方

 40代になって運転スキルを再取得すると、友人知人、そして、特に家族が面白がる。

 あなたが優秀な社会人で、失敗をした姿なんて何年も見せていないような人であればあるほど、親戚は手を叩いて貴方の不格好さを笑いたがるかもしれない。これは、人にとっては、なかなか嫌な経験になるかもしれない。

 これに対しての対策は、「費用のかからない余興を提供していると思い、大いに笑ってもらう」のが一つ。もしくは「自分の人生のために、私自身も怖い思いをしてスキルを習得しているので、笑わないでほしい」と一度だけ伝えることだ。

 私自身が別段嫌な経験をしたわけではないが、最も緊張をするのが「自分の運転を誰かが見ている時」であるあたり、変な自意識を私も抱えているのだと思う。

 運転をし始めた人の車が出発するときは、たくさんの人に見送られがち、見守られがちだ。そんなとき、いつものペースでゆっくり準備ができないし、ごく普通の箇所でも1回で走り出せないかもしれないため変な緊張をする。こうしたシーンから解放されるために、冗談ぽく「運転スキルの問題につき、どうか見送らないでください」と、お伝えしたこともある。