当たり前の話だが、発言を切り取られないようにするには、切り取られやすいテーマ、シュチュエーションを「避ける」ことが最も効果的だ。そこで、私は「タイトルに使われやすい強めのワードに注意 表現が強くなリがちな5つのパターン」を紹介。その1つとして、以下のようなテーマは切り取られる危険性大と警告している。

●ジェンダー 女性活躍・出産育児・性差、LGBTへの個人的見解が問題視
EX .「産む機械」「女の知事はいらない」「同性婚は認めない」

 さらに、重要なのが「スピーチをする場」だ。政治家の多くは、選挙応援など支持者が集まる集会、パーティでの挨拶、あるいは番記者とのオフレコ懇談会などで失言をする。こういう場で語るときにこそ細心の注意を払うべきだ、と以下のように注意を促している。

●支持者や身内と使っている「危ない表現」を確認
・周囲の喝采や同調に引きずられて、「公で言うべきことではない」ことを口走る
・身内の会合、飲み会で盛り上がる「トークテーマ」こそ注意すべき

選挙などで気持ちよく語ると
マスコミにとって格好の攻撃材料に

 いかがだろう。すべて今回の切り取り騒動に当てはまるのではないか。静岡県知事の応援演説で、相手は自分を国会に送り出してくれた女性支持者たち。そこで「女性」という切り取られるリスクの高いテーマで気持ちよく語れば当然、バッサリといかれてしまう。

 そうならないための方法を、この研修で私はお話させてもらった。元ネタの講義資料にも「女性」や「出産」に関する話をどうしてもしなくてはいけない場合、切り取りを回避できる「言い換え例」も提示している。こういう注意喚起が繰り返されてきた中で、「うまずして」という発言が飛び出た。脇が甘いと言わざるを得ない。