次の文は、「クラスメイトからどのくらいサポートを得られると感じているか」(サポート知覚)を測る心理尺度の一部です。現在のあなたは、これらの項目についてどのくらいあると感じていますか?

「決してない(1点)」「ほとんどない(2点)」「時々ある(3点)」「だいたい(4点)」「ほとんどいつも(5点)」「いつも(6点)」で考えてみましょう。

・私のクラスメイトは、私に親切にしてくれる
・私のクラスメイトは、私に良いアドバイスをしてくれる
・私のクラスメイトは、私が間違ったときに優しく知らせてくれる
・私のクラスメイトは、クラスでの学習課題や活動を手伝ってくれる

 得点が高いほど、あなたはクラスメイトからサポートを受けられるだろうと感じているようです。進学直後にこの感覚が小さいのは仕方がありませんが、例えば、2カ月くらい経っても著しく低いようであれば、それは「つまずき」のサインと言ってよいかもしれません。

 というのも、一般的にクラスメイトや先生からサポートが得られないと感じているほど、気持ちが落ち込んだり、孤独だという感情が強かったり、出席数が少なくなったり、さまざまな「つまずき」と関連すると言われているからです。

 高校進学でつまずくことがなかった新入生のCさんは、入学式当日には、気の合う2名のクラスメイトに出会えました。それによって早い段階で身近な人からサポートが得られるという感覚が高まったでしょうし、それゆえに学校やクラスへの所属意識も強まったかもしれません。実際にサポートを受けているか否かはともかく、「サポートが受けられる」という実感があることは、一般的には「つまずき」のリスクを下げてくれる働きをします。

15歳くらいの年代は
自尊感情が「どん底」の時期

 高校に進学すると、肩書が高校生に変わるだけでなく、クラスメイトも変わりますので、中学生までの「自分が思う自分」を見直す機会に、嫌でも直面することもあるでしょう。

 新入生の心理を調べる研究者たちは、このような自己に対する気持ちのなかでも、とくに「自尊感情」と呼ばれる心の側面に注目しました。これは「自分」に対する肯定的な態度や感情を指すものです。「自分は他人より優れている」といった優越感というよりも、「自分はこれでよいのだ」という受容の感覚を意味します。