「自分を責めてしまう人」は生まれ変わるための方法を知っておきましょう。
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「自責」のクセ
あなたには、「自分を責める」というクセがないでしょうか。
子どものころ、テストや授業で答えられないと「こんなこともわからないのか……」と涙が出てしまうようなこともあったかもしれません。
うまくいかないと、すぐに自分を責めてしまうのは、おかしいことなのでしょうか。
人間には、「失敗すると問題が他人にあると考える人」と「問題が自分にあると考えてしまう人」がいます。
このどちらも異常があるというわけではありません。
その人の「遺伝的な要因」や「家庭環境」など、さまざまな要因によって身につく思考のクセです。
このようなクセは、誰しもが持つものです。
異常があるとは言えません。
適度な自責感であれば、向上心を高めたり、物事を効率化するなどのいい効果を生んでくれます。
ただ、自責的な思考が強い人は、自分を責めてしまうことに慣れすぎてしまい、自分のことをネガティブにしか捉えられなくなる認知の歪みが生じてしまうことがあります。
そのクセは、考え方によってうまく取り除いたほうがいいでしょう。
もっとも有効な方法は、「いいジンクス」を作ることです。
たとえば、自分の感情をコントロールするために「トイレ掃除をする人は成功する」というジンクスをいったん信じてみて、それを徹底することで、感情的な自分をコントロールすることができます。
大きな不安に襲われても、「でも、今日もトイレ掃除をしたから大丈夫だろう」と瞬間的に思うことができたのでしょう。
ジンクスのよいところは、たとえ失敗しても、自分ではなくジンクスのせいにすることができる点です。
もし失敗しても、「今日はトイレ掃除をサボったからだ」「もっと心をこめてトイレ掃除をするべきだったな」という考え方ができ、セルフリカバリーしやすくなるのです。
これがジンクスの魔法です。
そうやって、自分の感情をコントロールしていきましょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。