メリット(2) 話し手へのフィードバックになる

「専門外の人たちに伝えるときは、この専門用語を使うとわかりづらくなってしまうのか」「この知識を前提に話した自分たちの認識が間違っていたな」という意識改革につながります。

 専門用語を使わずに、どこまで噛み砕いてやさしく語れるか。自分の前提条件と相手の前提条件のギャップをどれだけ正確に測れるか。さまざまな事業間を行き来するデータサイエンティストであれば、最初のミーティングでそのギャップをすり合わせ、コミュニケーションにおいて用いる言葉を調整します。

メリット(3) 周囲から密かに感謝される

「実は自分も知りたいと思っていたが口に出しづらかった」と感じていた他の人からすれば、あなたが素直に質問してくれたことは感謝の対象になります。

 外聞やプライドが邪魔をしがちな大人の世界においては「わからないと実直に言えるスキル」は、あなたが思っている以上に実は価値が高いのです。

 とは言え、「わからないことは何度でも教えてもらおう」となると、それは相手の時間や経験を奪うことになり、場合によっては敬遠される原因になります。

 一度質問して教えてもらったことは、その場でしっかり理解し、メモをとっておく。

 理解が不十分だと思ったら文献にあたるなど自分なりに後で調べる。

 誰かに質問する際には、それくらいの意識で説明を聞きましょう。しばらく経ってからまた同じ質問をするのは、相手の時間を無駄に奪う行為です。一度聞いたら、二度と同じ質問はしない。その意識は徹底してください。

 また、あまりにも簡単な質問は逆効果です。質問は粒度・バランスを考えてから聞くようにしましょう。場数を踏んで磨いた質問力は、大きな武器になります。