英語を話せるようになりたいけれど、効果的な学習法が見つからない。そんな多くの英語学習者から絶賛の声を集める本が『話す力が身につく5分間英単語』だ。カジュアルな会話からフォーマルな表現まで、数千に及ぶ例文を音声とともに掲載。実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」まで丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

ネイティブの会話でよく聞く“all the way”どういう意味?Photo: Adobe Stock
all the way
①(副)わざわざ、はるばる
②(副)(きっちり)最後まで、完全に

「道の全て」→「わざわざ」「最後まで」のイメージ

 all the wayは副詞として使われる表現で、「カナダからわざわざ会いに来た」のように①「わざわざ、はるばる」という意味で用いる。

 文字通りは「道の全て」ということ。つまり「(A地点からB地点まで)全行程を」ということから「わざわざ、はるばる」といった「距離の長さ」や「手間」を強調する表現になる。

 また、ここから転じて②「(きっちり)最後まで、完全に」という意味を表すこともある。

 これは、「道の全て」⇒「全行程を行く(=ゴールまで到達する)」⇒「(途中でやめたりせずに)きっちり最後まで、完全に」という発想から生じたと考えておこう。

「プラグを(最後まで)きっちり差し込む」や「靴を(かかとの部分を踏んだりせず)最後まで履く」など幅広いことに使える表現で、覚えておくと何かと便利だ。しっかり押さえておこう。

①(副)わざわざ、はるばる

John came all the way from California to see me.
ジョンはカリフォルニアからわざわざ会いに来てくれた
◆ ①の意味ではcome、go、walk、runなど、「移動」を表す動詞とセットで用いることが多い

He ran all the way to the police station.
彼は警察署まで走っていった

I had to go all the way back home to get the wallet.
財布を取りにわざわざ家まで戻らなければならなかった

Hugh walked all the way around the pond.
ヒューは池の周りをぐるりと歩いた

His mother pushed him all the way to school in a wheelchair.
彼の母親が、彼を車椅子に乗せて学校まで押していった

The man offered me a ride all the way to Las Vegas.
その男は、私をわざわざラスベガスまで車で送ってくれると申し出た

②(副)(きっちり)最後まで、完全に

Be sure to insert the plug all the way.
必ずプラグを最後まで差し込んでください

Put your shoes all the way on.
靴を最後まで履け
◆ 「かかとの部分を踏むな」ということ

The two sisters sang songs all the way home.
その2人の姉妹は家に帰る道中ずっと歌っていた

The flag was all the way up.
旗はてっぺんまで揚がっていた
◆ 「途中まで揚がった」ならhalfway up

So, did you go all the way with her?
で、彼女とは最後までいったのか?
◆ go all the wayは「最後まで行く」という意味で、ここでは性的関係を持つことを意味している。この他go all the way with ~の形で「~に全面的に賛同・同意する」という意味を表すこともある

The team members went all the way with her plan.
チームのメンバーは、彼女の企画に全面的に賛成した

I’ll support you all the way.
あなたを全面的にサポートします
◆ supportやagreeなど「支援する」や「賛成する」系の動詞と結びついて、「完全に、全面的に(≒completely)」の意味で使うこともある

pond(名)池 
wheelchair(名)車椅子

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)