飲料分野でPBを支える
「巨大黒小企業」とは?

 そんなPB商品のなかでも、「斬新すぎる戦略」で注目を集める飲料メーカーがある。

 年間5700万箱本を製造/販売する飲料メーカー、株式会社ライフドリンクカンパニー(以下、LDC)だ。売上高は2023年3月期で約300億円。2023年6月には東証プライム上場を果たした。

 LDCの主力事業は、飲料のOEM※事業および自社製品開発事業である。売上ではOEM事業が約6割を占める。LDCはPB市場がまだそれほど大きくなかった2001年から飲料のOEM事業を展開し、現在では30種類以上のPB商品のOEM生産を受託している。

※「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」を略した言葉で、日本語だと他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)を指す。

「当社は1972年に設立して50年以上たつのですが、もともとも日本茶の卸売業をしていました。90年代くらいから日本では水とかお茶を『買って飲む』という生活習慣が出てきて、時代が下るにつれてその傾向はずいぶんと定着してきました。

 そういった背景で、小売の方たちからは直接的に『こういった商品が作れないか』『こんな商品が欲しい』というご要望をいただくことが多かったんです。われわれは常に小売さんに寄り添った総合食品メーカーというスタンスでお付き合いさせてもらっており、飲料事業もそういったお客様からの声に応えていくなかで次第に大きくなっていきました」そう話すのはSCM本部長の橋本知久氏だ。

 LDCは独自のビジネスモデルにより、小売業者へ低価格で製品を提供しているという。