ミスタードーナツや生ドーナツとは需要が違うと言ったほうがわかりやすいかもしれません。
というのもミスタードーナツとは違い、「うどーなつ」を食べる人はそもそもうどんを食べに来店するのです。「今日のデザートはポンデリングにしようか、それともうどーなつにしようか?」と悩んで来店する人は圧倒的に少数派なのです。
普通に昼ご飯を食べるために丸亀製麺に来店した消費者が、うどんを注文し、レジで5つ入りのうどーなつ1袋を300円で購入して、食後に1個つまんで食べます。2個でもいいのですが、結局食べきれずに家に持ち帰ります。
それで家族もそれを食べて「これいいね」ということになり「今度行ったらまた買ってきてよ」となる商品が「うどーなつ」です。
これは考えてみると日本ではあまり類似例のない消費です。
昭和の時代で言えば不二家のレストランにでかけて帰りに不二家のお菓子を買って帰る感覚でしょうか。マクドナルドでもガストでも牛角でもワタミでも、こういった消費行動を前提にしたヒット商品というのはあまり見当たりません。あえて言えば宅配ピザのデザートぐらいでしょうか。
そう考えると「うどーなつ」はドーナツ市場とは競合しないブルーオーシャンの商品だということがわかります。
ブルーオーシャンであるがゆえにヒットしなければ消えていく運命も考えうるのですが、競合がいない分、そうならずに売上を伸ばす可能性にも結構期待ができる。なにしろ丸亀製麺の顧客全員が潜在的顧客なので、普通のスイーツよりも売りやすいのです。
ニュービジネスの未来予測というのは本来は予測が難しいもので、筋がよくても消えていく新商品はたくさんある世界なのです。
それでも、少なくとも今言えることは、丸亀製麺の「うどーなつ」はニュービジネスの定石から考えると、結構筋がいいということなのです。