皆さんは旅行先をどのように選ぶだろうか?
「美味しい料理が食べたい」「映画のロケ地を巡礼したい」など、さまざまな選び方があるはずだ。『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』などに出演し、著書『1%の努力』『99%はバイアス』などでも知られる、ひろゆき氏。本記事では、ひろゆき氏に「旅行先を選ぶときに大切にしていること」について聞いてみた。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)
旅行先を選ぶときに大切にしている「たった1つのこと」
みなさんは旅行先をどのように選びますか?「旅館でゆっくりしたい」や、「アクティビティを楽しみたい」など、いろいろな基準がありますよね。
僕は、旅行先選びで「文化」を重視します。
旅行をすると、「この国の人はこういうタイプの考え方だ」とか、「こういうことやるんだ」とか、「こういうとこ努力しないのね」みたいなことを体感できます。
それがすごく面白いと思うんです。
文化がまったく違う国
たとえば、北朝鮮とキューバは日本と文化がまったく違います。というのも、どちらも社会主義国なので、資本主義国の日本とは根本的に価値観が異なるからです。
日本には商品やサービスの選択肢が豊富にあるのに対して、北朝鮮やキューバは商品やサービスがそもそも少ないんですよね。なので、いくらお金があっても商品やサービスを買えません。
CMや広告が街中のあらゆる場所に掲示されている資本主義国と違って、北朝鮮やキューバには商業広告も一切ないんです。
なので、価値観が根本的に違うっていう意味では北朝鮮とキューバなどの社会主義国は割と面白いですよ。
旅行先での意外な発見
僕は2014年に北朝鮮に行きました。そのときの経験では、世界で一番「冷麺」が美味しいのは北朝鮮です。
冷麺といっても、日本の冷麺とは一味違います。実は、北朝鮮で作られる麺にはどんぐりの粉が入ってるんです。
どんぐりの粉で作られた冷麺は、食感がもっちりしています。さらにどんぐりにはタンニンとアコン酸という、腸の働きを整えて体内の老廃物を排出する効果のある成分が含まれているので、健康にも良いんですよ。
どんぐりって公園に落ちているくらい身近にあるので、他の国の冷麺にも使われそうじゃないですか。ですが他の国ではあまり使われていません。
というのも、どんぐりは今でも人が手作業で採集しているんです。基本的にどんぐりの値段は高くないので、人力で集めてもコストが合わないんですよね。なので、他の国ではどんぐりの粉を入れないか、入っていても少量なんです。
一方で、北朝鮮は人力でどんぐりを採集します。そうすることで大量にどんぐりの粉が入った美味しい冷麺が作れるんですよ。
また、北朝鮮の料理は韓国料理ほど辛くないので、すごく食べやすいです。電気も少ないので、冷蔵庫をあまり使いません。新鮮な野菜を、新鮮なまま食べるんです。
言葉が通じない場所に行く
一方で、僕は国内旅行にはほとんど行きません。
「文化」重視なので、旅行はやはり現地の人に会って話したりして文化に触れることが醍醐味だと思います。
それが国内旅行になると現地の人と話すといっても、東京にも各地方から来ている人がいます。その方々に地元の話を聞けばだいたいのことが分かるんですよね。
なので、国内旅行だと手に入る情報がそんなにないんです。
あと、若いうちはハワイとかリゾートには行きませんでした。ビーチでゆっくり過ごしたり、買い物を楽しんだりするのは、日本でもできるじゃないですか。リゾート地だと現地の人と触れ合える機会も少ないんですよね。
言葉が通じない、現地の人とコミュニケーションしないとなんともならないような場所に行くことを大切にしています。
(本稿は、『1%の努力』の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。