「運の良さは遺伝する？ いやいや、行動自体をただ説明しているだけですよ」
そう語るのは、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』などに出演し、ネット上で有名なひろゆき氏。彼の著書『1％の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか？」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか？」などをマジメに語っているが、本記事では、日常生活で「運が悪い」と感じる人が気づいていないことを聞いてみた。（構成／ダイヤモンド社・菱沼 美咲）
ひろゆき氏（撮影：榊智朗）
そもそも神様って存在する？
あなたは神様がいると思いますか？
「いる」という人もいれば、「いないとは思うけど神頼みはするかな」という人もいるかもしれません。
基本的に僕が生きてきた感じ、「神様はいないんじゃないかな」と感じる確率が高いとは思っているんです。
ただ、たまに科学的に説明がしづらい現象が起こることがちょこちょこあります。
これは、前に知り合いとシンガポールのカジノに行った時の話です。
ルーレットで赤黒を当てるゲームをしたんですけど、知り合いが11回ぐらい連続で当てたんですよね。
確率でいえば1/2048を、「次は赤」「次は黒」って言って当てていくんです。
そして、突然「ここからは分からない」と言ってやめたんですよ。
僕は「なんなんそれ？」って思いました。
こういった、なんとなく説明のつかない出来事ということが起こる人や起こす人がごくたまに存在する。
だから、厳密に「神様がいない」とは言いづらいかなって思っています。
「運の悪い人」が気づいていないこと
「運のよさは親譲りなんだよね」「運の悪さって遺伝する」、そう口にする人が周りにいませんか？
これって、行動自体をただ「運」のひとことで説明してしまっている気がするんですよね。
X（旧:Twitter）でみて面白いなって思ったことがあったんです。
それが、「知らないおっさんに怒られたり怒鳴られたりする自分は運が悪い」と思っている人がいるってこと。
その「自分は運が悪い」と思っている人を周囲の人がみると、「運が悪い」理由がきちんとあるんです。
その人は、知り合いと一緒にいると、エレベーターとかエスカレーターの出口などで立ち止まって会話をしてしまうんですね。
エスカレーターでいきなり立ち止まられると、後ろの人がぶつかっちゃうじゃないですか？
それで周囲の人は、舌打ちをしたり怒ったりする。
でもその人は、自分の行動によって周りの人が怒っているということに気がついていないんですよ。
だから、自分は「突然」知らないおっさんに怒られる運が悪い人なんだという解釈になっているんですね。
他にも、「毎回目の前でバスや電車の扉が閉まってしまって、自分は運が悪い」と思っている人。この人は、時間ぎりぎりで行動しているせいで間に合っていないだけだと気づくことができていません。
運が悪いというより、自分の行動を運のせいにしているんです。
運という表現ですべてを解釈しようとしてしまっている。
そういう「運のいい人・悪い人」は世の中に結構いるんじゃないかなって思います。
これを読んで、「自分は運が悪い」と思っている人は、自分の行動を振り返ってみるのもありかもしれませんね。
（本稿は、『1％の努力』の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。）
本名：西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1％の努力』『99%はバイアス』（ダイヤモンド社）がある。
