1「私」のお願いを聞いてもらう「I(アイ)メッセージ」

「私、こういうことしてほしいなぁ」「こうしてもらったらうれしいなぁ、私」というように、主語を「私」にする頼み方です。掃除してほしいなら、「リビングをキレイにしてもらったら、私うれしいなぁ。お願いしてもいい?」といったように。

 ここで注意したいのが、セリフの中に「あなた(夫)」を入れる「YOUメッセージ」にしないこと。本当はしないといけないとわかっていることでも、やれと言われると途端にやりたくなくなります。

「あなたがリビングを掃除してくれたらな」と言うと、夫の意識は「掃除させられる俺」に向き、やらされるのは嫌だ、絶対にやらない! となってしまいます。ここはあくまでもIメッセージが正解。

「私はここがキレイだったらすごくうれしいんだけどなぁ。お願いしてもいいかな?」と、ちょっと下手(したて)に出て頼るニュアンスを加えるのもいいですね。

 Iメッセージでお願いした後は、「ありがとう! 助かったわ」などの感謝の言葉をお忘れなく。

2目的達成のために小さな範囲から頼む「スモールステップ」

 男性には、自分の仕事の範囲がわかると動きやすいという特徴があります。

 家の中で、あなたの夫の定位置ってどこでしょうか? うちの夫の場合はリビングのソファです。そこで、「ねぇ、そこのソファのあたりだけでいいから掃除してくれたら助かるなぁ」とお願いすると、案外スムーズにやってくれます。

「私はキッチンの片づけをするから、あなたはソファとその周りだけお願い」というように、夫だけにさせるのではなく分担するのだと伝えるのも効果的です。

 こうして小さな範囲の掃除をしてもらえるようになったら、その範囲を少しずつ広げていくことも可能になってきます。

 たとえば夫が定位置のソファでいつも見ているテレビのホコリをハンディワイパーで取ってもらうなど、本当に少しずつ、小さな頼みごとを増やしていき、やがてはリビング全体に掃除機をかけてもらうところまで持っていく。