25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2025』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2023年12月時点に執筆した『大学図鑑!2025』をもとにしています)

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今の「早稲田大学」の雰囲気は?

 ワセダと言えば「在野精神」、早大生と言えば「バンカラ」とされてきた校風は、すでに遠い過去の話。

 ただ、本質は昔と大きく変わってはいない。「早稲田らしさとは何か?」と学生に聞くと、「多様性」「バカさ」と返ってくることが多いのが、その証拠だ。どんな発言やふるまいをしても、許される寛容な空気がそこにある。人前で格好つけて、自らをよく見せようとするよりも、むしろ自虐して笑いを取る美意識がある。

 さらに、そういった早稲田イズムに対して、同じ学生から「東大・慶應よりも下の自覚があるから、わざとバカぶって目立とうとしてる」など批判の声があがるところも、何とも早稲田らしい。

10年前と今で、早稲田大学は変わった?

「バンカラ」とされてきた校風はなくなりつつも、「多様性」や「バカさ」といった早稲田イズムは残っている早稲田大学。では、10年前と比べると早大生自身や取り巻く環境は変わったのか。今回は、10年前の『大学図鑑!2016』と本書籍を比較し、懐事情、就活、そしてワセジョと呼ばれる女子学生の3つの軸から比較する。

早稲田から貧乏学生は減った?

 10年前の地方出身者の家賃は5~6万円が相場。多様な学生が集う大学だけに、金持ち学生もいれば、貧乏な学生もいた。

 だが、現在は円安や物価高の影響もあり、地方出身者の家賃は6万~8万円台と相場が上がった。以前は全国各地から学生が集まっていたが、今は約8割が首都圏の高校出身者で、昔のような貧乏学生も減った。

 とはいえ、4人に1人は奨学生で、バイトに励んで学費や生活費の足しにする学生はそれなりにいる。内部生は総じて裕福だが、あまり格差を感じることはない。遊びや飲み会などもコスパ重視で、贅沢や無駄遣いはしない傾向にある