「仕事が終わらないので、資料などを家に持ち帰ってやっていました。最初は、子どもが寝てからやっていましたが、親が仕事のことを考えて気が立っていると、子どもがなかなか寝てくれなかったりもします。それで、思い切って子どもと一緒に寝て、朝型に切り替えることにしたのです。夜9時に寝ると、7時間寝ても、朝4時に起きられます。子どもたちが起きる朝6時までの時間でバランスを取っています。その朝の時間は、仕事をすることが多いですが、仕事が終わった時には走りに行ったりして、自分の時間にしています。それに、気兼ねなく晩酌できることも、私にはうれしかったです」

 働き方を変えて、時間の使い方も変わったようだ。そして、子どもが出来たことで、仕事に対する視点も変わったと話してくれた。

「子どもがいる立場で、街づくりを考えることができるようになりました。いろんな目線で街を見るのが大事です。子どもといる時間が、仕事に役に立たない時間ではないのです」

 働き方を大きく変えたばかりか、仕事の上でも大事な気づきを得たようだ。

コミュニケーションを密に取り
夫婦二人三脚で育児をする

 次に、子ども中心の生活に大きくシフトチェンジをした福田さん(男性・技術系・子どもあり)を紹介しよう。職場結婚で妻は研究職。福田さんも、職場で大所帯の責任者としてバリバリ働いていたころに子どもが出来た。それまでは残業も多い仕事で有休も使ったことはなかった。

「子どもが生まれてから、残業は減りました。どうしてもやらないといけない時は残業をしますが、働き方が変わったと思います。保育園から連絡が来たり、(子どもが)熱を出したりしたら、すぐに帰っていました。子どものことが心配で、完全に子ども中心になっていました」