25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2025』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。
かつては「横浜大学」という名称をかけて争った国公立の横浜国立大学と横浜市立大学。たった一文字異なるだけの2つの大学には、どのような違いがあるのか。またお互いの大学をどう思っているのか。4つの観点で比較した。
其の一:学部比較
横浜国立大学は教育学部、経済学部、経営学部、理工学部、都市科学部の5学部からなっている。特に看板学部は、経済学部と理工学部である。
教育学部は、教員養成に特化した学校教員養成課程のみで、小学校教諭一種の免許取得が必須。教員になる学生が少なすぎて、度々テコ入れしている学部でもある。経済学部は、貿易関連の資料が豊富な「アジア経済社会研究センター」など付属施設も立派。単位取りが楽な一方、「ゼミによって露骨に就活の成否が決まる」との声も。
経営学部は、そもそも存在するのが横国大と神戸大のみというレアな学部である。理工学部は、化学・生命系学科、数物・電子情報系学科、機械・材料・海洋系学科で構成されている。それぞれの学科で体系的な教育プログラムがある。
都市科学部は2017年に新設された学部で、文理にまたがるプロジェクトが充実している。
一方、横浜市立大学は、国際教養学部、国際商学部、理学部、医学部、データサイエンス学部の5学部からなっている。1年次はどの学部も「共通教養」という講義を中心に学んでいる。国際教養学部は教養学系と都市学系の2つにわかれている。「『国際』とは名ばかりで、全然英語使わない」という声がある一方、「帰国子女が多い」という声もある。
国際商学部は、2年次に海外留学や海外企業インターンなどを推奨する機関がもうけられている。理学部は、理学科のみで物理学、化学、生物学を横断的に学ぶ。医学部は、看護学科と医学科の2学科制。両学科とも少人数である。
データサイエンス学部は2018年度に新設された文理融合型のカリキュラムが組まれた学部である。