10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭にも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

【算数オリンピック入賞者多数輩出の塾長が語る】超トップ層に難なく入れる子は、ここを見れば一発で分かる!Photo:Adobe Stock

無料体験に来ると、一発でわかる違いとは?

りんご塾は、算数オリンピック入賞を目標に掲げ、算数に特化した授業を展開しています。しかしながら、入塾を希望する方々の一番の目的は、やはり中学受験で志望校に合格し、将来、難関大学に入学することにあります。
実際、小学3年生の段階で算数オリンピックの予選を通過できたら、大学で医学部に入れる可能性が高いです。

そういう、超トップ層に難なく入れる子どもというのは、無料体験に来ると一発でわかります。
目の動きが違うんです。

無料体験では、「点つなぎ」や「間違い探し」のプリントを解いてもらいます。「点つなぎ」というのは、白い紙に書かれた1~100までの数字を、小さい順につないでいくものだったり、偶数だけをつないでいったりするものです。「間違い探し」は、形が似た文字が並んでいる中で、ひとつだけ違う文字を探すような問題です(本書P76~参照)。

「情報処理能力」や「意欲」までもが見える

この問題を通して見ているのは、情報処理能力です。
例えば、1から順に点をつなぐ問題の場合。ある子は、まずは1を探して鉛筆をそこに置いて、それから2を探して鉛筆を動かし始めます。しかし、ときに、鉛筆を2に向かって動かしている最中から、目をキョロキョロさせてすでに3や4を探している子というのがいます。そういう子は、非常に情報処理能力が高いです。

それに加えて、意欲もあります。無理やり連れて来られて、やる気があまりない子は、数字を探すなんて面倒くさくて真面目にやりません。本当は高い情報処理能力があるかもしれないけれど、その能力を生かそうとしないのです。

それに対して、超トップ層に入れる子というのは、情報処理能力が高いのはもちろん、意欲もある。人間として疲労していないというか、「面白い。受けて立とうじゃないか」という感じのエネルギッシュさがあるのです。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。