その結果は…

「睡眠不足は参加者の認知能力を大きく低下させたが、短時間の中強度の運動は実行機能を大幅に改善させ、認知能力を回復させる結果を得た」と、研究者は結論づけている。ただし、科学者たちはその正確なメカニズムについてはわかっていないということ。

 一般的に運動は、単に疲れを感じやすくさせるだけと思われるかもしれない。が、20~30分の適度な運動(地道なランニング、自転車、自重で行うサーキットなど)は頭のもやもやした状態を解消し、精神力をベースラインまで回復させるのに最適のツールになり得ることをこの結果は示唆している。 

 睡眠不足時の適度な運動は、単に一日の仕事をこなすための手段になるだけではなく、実行機能の重要な側面の2つである“より良い決断と感情の管理”に役立つという点で、極めて重要なことかもしれない。

 もちろん、健康的で自然な睡眠を優先することが第一である。 運動による対処は、最初の手段ではなく便利なバックアッププランと考えるべきだが、この研究は「ジムの後に最高の仕事ができる」という考えを長年支持し、ランチタイムのワークアウトに励む人たちにとっても朗報となるだろう。

 そして、日本でチョコザップの人気が高まっている理由も、これに少し関係しているかもしれない…そんな推測もできる。

[脚注]
*「The effects of sleep deprivation, acute hypoxia, and exercise on cognitive performance: A multi-experiment combined stressors study」を参照 

Text By Andrew Tracey
Translation & Edit / Satomi Tanioka
Source / Men's Health UK
※この翻訳は抄訳です。

睡眠不足には昼寝より筋トレ?科学者たちも頭をひねる「脳回復」の劇的メカニズム