近年、「会社の飲み会に行きたくない」若手が増えているという。
「時間外労働」「残業代が出ない」「気遣いが面倒」…など、様々な声が聞かれる。
しかし一方で、面倒な雑務の代名詞である「ビジネス上の食事会」や「幹事の業務」に、
前向きに取り組まないと置いていかれる」と考えている若手社員が増えていることもまた事実。
新刊『ビジネス会食完全攻略マニュアル』は、そういった若手社員に支持されている一冊だ。“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「食事会での実践的な振る舞い」を紹介した本書。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回はその著者yuuu氏に聞いた、「若手と飲み会に行った時に注意すべきこと」を紹介する――。

嫌われる上司が会社の飲み会で「一発で部下から嫌われる」超残念なNG行動とはPhoto: Adobe Stock

飲み会で周囲の人を困らせていませんか?

飲み会の失敗の多くはアルコールによって生み出される。最悪の場合は暴言や暴力などの大トラブルを招く可能性もゼロではない。コンプライアンスが厳しい昨今のビジネスシーンにおいては、暴力沙汰は一発退場である。どれだけ仕事で優秀であろうが、酒席の失敗を取り戻すことはできない。

特に、最近では「飲み会」の価値観も少しずつ変わってきている。昔は浴びるように酒を飲むような飲み会が多かった読者の方も多いかもしれないが、今はその頻度も少しずつ減ってきているのではないだろうか。特に、直近のコロナ禍を経て入社してきた新入社員の方であれば、学生時代に飲み会を多く経験しなかったために、考え方が根本から異なる方もいることを念頭に置こう。

飲み会で部下に介抱をさせたり、記憶を飛ばしてしまうような姿をさらすのも、現代においては部下から嫌われてしまう重大な要因の一つである。

前もって「飲みすぎてしまったとき」のリスクヘッジをしておこう

先にお伝えしておきたいのは、「会食の場でお酒の量を意識して減らすのは難しい」ということだ。
私がお世話になった先輩の中にも、ビジネスにおいて極めて高い成果を上げているにもかかわらず、酒席で失敗を繰り返す方がいた。気になってその先輩にヒアリングをしたところ、「毎回、酒量を減らすようには心掛けているんだけど、相手のペースに合わせてつい飲んでしまうんだ……」とバツが悪そうに言っていた。

このように、実際の飲み会の場においては、無意識のうちに周囲のペースに合わせて飲んでしまう。ホスト・ゲスト関係なく、会食が盛り上がってくるとお酒を注ぐペースが速くなってくる。そのテンポに押されて、つい飲んでしまうのだ。また、飲み会が盛り上がってくると注文杯数がわからなくなり、人数以上のグラスやジョッキが置かれるようになる。結果として部下や周囲の同僚が飲まざるを得なくなるのだ。

せっかくの飲み会にもかかわらず、酒量を間違えて記憶が飛んだり、用意したプレゼントを渡すタイミングを逸したり、介抱される側に回ってしまったりすると「自己管理ができない」と周囲の評価を下げることに繋がってしまう。

飲み会の現場では少なからず気を張っている。緊張している。そして忙しい。「お酒の杯数なんて自分で調整できる」と過信しすぎないよう心がけたい。

(本記事は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)