小型物流拠点に荷物を集約し
FCトラックでピストン輸送

 水素の利活用にも取り組む。前述の燃料電池コージェネレーションシステムや、高輪ゲートウェイ駅の水素燃料電池システムで、再生可能エネルギー由来の水素を用いた電気を供給する。将来的に街の中で水素を製造することも検討している。

 水素は物流システムにも使われる。通常の商業ビルは、各テナントが手配したトラックがビルの納品用駐車場に直接乗り入れて積み下ろす。ただ、開店前の時間帯などトラックが集中する時間帯は入場待ちが発生するだけでなく、周辺道路の渋滞の原因となる。

 そこで高輪ゲートウェイシティでは、2024年6月に整備した平和島の「外部デポ(小型物流拠点)」を拠点に、「環境への配慮とIoTを活用したフレキシブルなロジスティクスを実現する次世代型物流プラットフォーム」を構築した。

 これは域外からの荷物を一度デポに集約し、そこから直線距離約6キロの高輪ゲートウェイシティまで、水素で発電してモーターで走行する「FC(燃料電池)トラック」に積み替えて輸送する仕組み。

 デポは営業時間内であればいつでも納品が可能で、さまざまな商品に対応するため冷凍・冷蔵設備を完備する。配送の合理化・車両流入台数削減による周辺渋滞緩和やCO2排出削減など、環境に配慮したまちづくりを目指した取り組みだ。