横浜工場ではJR東日本グループの首都圏駅ビル・エキナカで発生する食品廃棄物の概ね半分、1日当たり23トンを処理し、年間約1700万キロワットアワーを発電。また発酵残渣(ざんさ)を活用した肥料を生産している。仙台工場では仙台駅を中心とする施設で発生する1日当たり約2トンを処理し、年間650万キロワットアワーを発電している。

 高輪ゲートウェイシティではTHE LINKPILLAR 1内に「ビルイン型バイオガス設備」を設置する。商業施設の飲食店で発生する1日あたり約4トンの食品廃棄物からバイオガスを生成し、ボイラーの燃料とすることで、ホテルの給湯の熱源として利用する。

 同社は今後、資源循環をさらに拡大する方針で、グループで発生する使用済みプラスチックや制服・理念、太陽光パネルなどのさまざまな廃棄物を、グループ全体で回収、運搬、リサイクル、再資源化する体制を構築し、今後10年で100億円規模まで拡大する計画だ。

 JR東日本は2023年度に約8470億円だった非運輸事業の営業収益を2033年度までに2倍にする目標を立てており、営業収益を約570億円と見込んでいる高輪ゲートウェイシティがあと14個必要な計算だ。そう考えると果てしない目標だが、まずは高輪ゲートウェイシティを成功させなくては、目標達成は不可能だ。鉄道事業者による都市部の再開発として史上最大規模のプロジェクトは、まさに社運を賭けたものとなる。