OB・OG訪問には仮説をもって挑む

 考えてみれば当然ですが、せっかくOB・OGに会っているのに「御社は何をしている企業ですか」と抽象的なことを聞いても、「それは企業説明会のパンフレットを見てね」ということになってしまいます。

 毎日誰と話をして、どういう達成目標があって、どういう苦労があって、どのように売上げに貢献しているのか、そういう細かい話はこの志望の三角形の構造で、「個人」レベルにまで、企業理解を進めていなければ決して教えてはもらえません。

「(公開情報等で)自分はここまでは調べてわかったのですが、ここから先がわからないので教えてください」「他社との比較などから、御社のこの部署ではこういう仕事をしているのと思うのですが実際はどうですか」、と自分で仮説を持ってそれを「当て」に行く。

 こういう聞き方をする学生には担当者もOB・OGも喜んで話をしてくれます。個人の仕事の細かいリアルな話はOB・OGに聞くのが一番よい方法です。

志望企業にOB・OGがいない場合は?

 よく「自分の大学にはOB、OGがいない」のでOB・OG訪問ができないという人がいます。なにも、自分と同じ大学の人でなければ話を聞けないということはありません。

 企業説明会では、たいてい個人的に話を聞ける時間が設けられています。上記のような内容で堂々と質問すれば大丈夫です。「あなたは●●大学なので教えられません」という先輩社員や担当者はいません。もしいたら、その企業はあなたが入る価値のない企業です。

 具体的なイメージを持って質問ができるよう、企業研究を進めていくのがよいでしょう。

福重敦士(ふくしげ・あつし)
株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースHD営業局長
43年続く「ダイヤモンド就職人気企業ランキング調査」で毎年上位にランクインする超大手・人気企業の採用コンサルティングを手掛ける。メーカー、商社、金融、インフラ、マスコミ、コンサル等、採用マーケットを知り尽くしたカリスマ営業パーソン。同社のLIVEセミナーの講演も主宰する。