推し活も度がすぎれば
ホスト沼と同様の破綻が待ち受ける

 依存するという行為には、大きく3つの種類があります。

 1つは薬物やアルコールのような「物質依存」、2つ目は買い物やギャンブルのような「行為依存」、そして3つ目が特定の人に対する「対人依存」です。

 最近、「推し活」という言葉をよく耳にします。好きなアーティストやキャラクターを応援するのは楽しいものですよね。日常生活に支障のない範囲であれば、生活に張りが出ますし、仕事や勉強を頑張るモチベーションにもなりますから、おおいに楽しんでいただいていいと思います。

 しかし、これもいきすぎてしまうと、依存になってしまいます。

 ホストクラブにハマる女性が増えていることが社会問題になっていますが、その構図は、キャラクターを育てる育成ゲームにも通じるものがあると感じています。

書影『精神科医だけが知っているネガティブ感情の整理術』『精神科医だけが知っているネガティブ感情の整理術』(ハーパーコリンズ・ジャパン)
伊藤 拓 著

「私がいないと、この人はダメなんだ」

「私の力で、この人をトップにする」

 といった目標に向かって行動する際には、脳内にドーパミンが分泌されていると考えられます。1つの目標を達成したら、次、またその次と、どんどんエスカレートしていき、最終的には自分の生活そのものが破綻してしまうとも限りません。

 何かにちょっと入れ込みすぎだという時は、少し距離を置いてみてください。どうしてもやめられないという場合は、精神科や心療内科、あるいは依存専門の相談窓口などに相談してみることをおすすめします。