1日1時間のテレビやゲームはOK
2時間超で発達への悪影響が急増

 少なくとも、子どもを勉強させるためにテレビやゲームの時間を制限するのは、あまり有効な方法とはいえないのです。テレビとゲームが学習時間にもたらす因果効果が小さいのは事実です。ただし、これは「テレビやゲームを無制限に観せても問題ない」ことを意味しているのではありません。

 私たちの研究では、テレビ視聴やゲーム使用の時間が長くなりすぎると、子どもの発達や学習への悪影響が飛躍的に大きくなることが示されています。

 それでは、どれくらいのテレビ視聴やゲーム使用だったら無害なのでしょうか。私たちの推計によると、1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子どもの発達に与える影響は、まったくテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらないことが示されています。一方、1日2時間を超えると、子どもの発達や学習時間への負の影響が飛躍的に大きくなることも明らかになっています。

 子どもが、1日1時間程度、テレビを観たりゲームをしたりすることで息抜きをすることに罪悪感を持つ必要はありません。

「テレビやゲームは有害だ」というのは、その昔「ロックンロールを聞くと不良になる」といわれたのと同様、単に人々の直感的な思い込みを強く反映した時代遅れのドグマにすぎないのです。

親が勉強を見守ることが効果的
同性の親の役割は特に大きい

 テレビやゲームをやめさせることにほとんど意味がないならば、子どもの学習時間を増やすためには、何をすればよいのでしょうか。