さまざまな情報を自由に獲得できるようになった現代では、その量も膨大になっている。しかし、私たちの“脳”が多くの情報を効率的にインプットするにはコツが必要だという。スタンフォード大学・オンラインハイスクールで校長を務める星友啓氏が勧めるのは「アクティブ・リーディング」という方法だ。「読むインプット」が苦手な山田ケイさんのインプット現場を例に、その方法を紹介する。※本稿は、星友啓氏『脳が一生忘れないインプット術』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。
インプットは才能よりもやり方次第
積極的な読み方で得られる効果とは
周りと差をつけるため、自分の仕事に直接関係する知識だけでなく、関連するマーケットや経済のマクロな動きについても知っておきたい。自分が関わる企画についても周りより素早く関連情報を頭に叩き込めるようになりたい。
そんな希望を持つ山田さんですが、必要な情報をインプットしようと思っても、目の前にあるのは大量の資料や参考文献、ウェブサイト。読むのはどちらかというと遅いほうなので、やる気だけではどうにもなりません。
これでは、逆に周りに置いていかれてしまうかもしれない。どうにか、高速で効果的なインプットができるようにならないものか。
いや、自分には読む才能がないからダメなのかと、ヘコみ気味の毎日が続いています。
情報のインプットの効率が人によって異なるのは間違いありません。
同じものを学んでいても、学校でも、職場でも、インプットが速い人もいれば、遅い人もいます。同じ時間内に同じ記事を読んでも、記憶の定着具合や理解度が全然違ったりします。
それだけに、山田さんの悩みは多くの人にとって同じように悩ましい課題です。山田さんがヘコんでしまったように、インプットの効率やスピードの差を、生まれ持った才能や能力の違いと感じて意気消沈してしまうことだってあるかもしれません。
しかし、能力の限界と決め込んで、自分には無理だと嘆いているだけではあまりにももったいない。
なぜなら、インプットの効率やスピードは、インプットのやり方に非常に大きく左右されるからです。
「読むインプット」が思うようにいかないのは、自分の才能の問題ではなく、単に自分のインプットの方法が間違っているだけかもしれないのです。
もちろん、インプットがすでに上手な人であっても、より効果的なインプット方法を学べば、さらにクオリティーの高いインプットが可能になります。