その上で、どのようなインプットをするべきかをイメージすることが大切です。次のような点について考えてみましょう。

・読みとるべき内容は何か
・どれほどの精度で読み込むべきか
・インプットした情報を何に使いたいのか

 読み始める前にこうした点を意識するだけでも、目的にフォーカスすることができ、効果的なインプットにつながります。

【目的設定】は、ニュース記事のようなちょっとした「読むインプット」でも重要ですが、分厚い本やいくつもの資料を読み込まなくてはいけないときには、必要不可欠な習慣です。

 こなすべき分量が少なければ、サクッと目的を意識して、どのような点を押さえるかくらいをイメージし、分量が多い場合は、事前にしっかりとインプットの戦略を立てるように習慣づけましょう。

読み始めのインプット戦略
プレビューで全体を把握せよ

 よし、【目的設定】ができた。さっそく読み始めよう!

 そういきたいところですが、読み始めにも大事なインプット戦略があります。シンプルに1行目から順番に読んでいくなんてもってのほかです。

 まずは、タイトルやサブタイトル、セクションごとの見出しを読んで、全体の内容を【プレビュー】しましょう

 タイトルや見出しは、記事や本の内容を端的にまとめて表現しているので、それを読んでいけば、文章全体の内容や、どこに何が書かれているかを把握することができます。

 そうすることで、【目的設定】に合わせた読み方の作戦を、より鮮明にイメージすることができるのです。

 先ほどの例に戻ってみましょう。

 ニュースを読んで、政府の増税案の大筋をざっくり理解したい場合。

「政府の増税案の大筋をざっくり理解したい」という【目的設定】をしたら、タイトルや見出しを読みながら、記事全体を見ていきます。

 セクションごとの見出しをチェックしながら、「増税案の骨子」なんていう見出しがあれば、そこを重点的に読んで、残りの部分は「ざっくり飛ばし読みするくらいで済むかな」などと作戦を立てることができるでしょう。

 記事なら見出しチェック、本なら目次を読んで、全体を【プレビュー】するのも、【目的設定】と並んで読む準備の大事な習慣の1つです。