頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
インプット力と地頭力を鍛える5冊
今回は、インプット力と地頭力を鍛える5冊を紹介したい。
★1『論語』(金谷治訳注/岩波書店/1999年)
論語はこれまでに何回も繰り返し読んだ本の一つだ。
ビジネス書ではないが、教養の基本といわれる本であり、仕事はもちろん生きていくうえで大切なことを学べる。
特に役職や年齢が上がるにつれ、才(能力)より徳(人間力)が問われるので、それを理解するうえでも最初にお薦めしたい一冊だ。
★2『人を動かす【文庫版】』(D・カーネギー著、山口博訳/創元社/2016年)
この本の章立てにある、「人を動かす」「人に好かれる」「人を説得する」「人を変える」というのはビジネスにおいて最も重要かつ本質的な部分。
初版は1936年と古い本だが、自分や企業が達成したいことが何か、そのために人を動かすにはどうすればいいか、今でも通ずるところは大きく変わらない。
内容自体に目新しさがあるわけではないが、仕事でもプライベートでも人間関係はこの本だけでかなり円滑になるはずだ。
時代を超えて支持される理由がわかる。
★3『仮説思考――BCG流 問題発見・解決の発想法』(内田和成著/東洋経済新報社/2006年)
本書第4章で「仮説思考」の重要性について触れるが、より体系的に学びたい人にはベストな本だと思う。
仮説思考は実践の繰り返しが一番大事だが、新卒などまだ経験が少ない人には、考え方を含め、学びの多い内容だ。
★4『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』(安宅和人著/英治出版/2010年)
仕事をしていると解決すべき問題が多くあるが、そのすべてを解決する時間はない。
だからこそ本当に解決すべきイシューが何かの理解が大事である。
そう言われたら当たり前と思うかもしれないが、いざ仕事をしていると忘れがちな視点であり、それを学ぶことができる。
★5『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳/ダイヤモンド社/2016年)
米ペンシルベニア大学のアンジェラ・ダックワース教授が、シカゴの学校で調査したところ、やり抜く力を持つ学生は退学せずに、きちんと卒業していく確率が高いとわかった。
やり抜く力は、Guts(困難に立ち向かう「闘志」)、Resilience(失敗してもあきらめずに続ける「粘り強さ」)、Initiative(自らが目標を定め取り組む「自発」)、Tenacity(最後までやり遂げる「執念」)から構成され、後天的に身につけられるとしている。
このメッセージはまさに『1位思考』の副題である「後発でも圧倒的速さで成長できる」に通じるところである。
やり抜く力がなぜ大事なのか、どうすれば実践できるのか。本書の第5章以降でも改めて触れたい。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)