「書類を1ページ目から読む」は間違い?
「アクティブ・リーディング」を身に付けよう

 ここでは、「読むインプット」にフォーカスして、誰にでも実践できる効果的なインプット法を解説していきます。

 鍵になるのが「アクティブ・リーディング」と呼ばれる方法です。

「アクティブ」は「能動的」「積極的」という意味合いで、目の前の情報にエンゲージ(集中して取り組むこと)しながら、積極的な姿勢で読むことで、自分の目的に合ったクオリティーの高いインプットを実現することができます。

 また、そのように読むことで、理解度や記憶の定着率がアップして、より良いインプットを実現することができます。それでは、どのようにしたら「アクティブ」な「読むインプット」をすることができるのでしょうか。じっくりと見ていくことにしましょう。

 手始めに、「読むインプット」が苦手な山田さんの仕事の様子をのぞいてみましょう。

 午前中の業務も大詰め。山田さんはデスクの前にある分厚い書類の山に目を通さなくてはいけません。

 自分の席についてすぐ大きく深呼吸。おもむろに、1ページ目から読み始めました。持っているペンで一行一行なぞりながら書類を読み進め、次々にページがめくられていきます。

 一定のペースでなかなか捗々しく作業が進んでいるようです。

 ちなみに、ペンは持っていますが、途中で何か書き込むわけではありません。メモをとると字を追う流れが中断されるし、余計な時間がとられてしまうので、極力、書類から目を離さないように心がけているのだそう。

 2時間ほどで一段落したのか、大きく伸びをして席を立ち、晴れ晴れした顔で同僚に声をかけて、楽しそうにランチに向かって行きました。

 特に珍しいところもない、よくある「読むインプット」の現場のようです。誰にでも想像しやすいのではないでしょうか。

 しかし、この山田さんのインプット現場の様子には、アクティブ・リーディングを意識する上で、絶対に避けるべき悪いインプット習慣が3つほど描かれています。