当初は「これほど高額な買い物をした覚えはないのですが、もしかしたら間違った請求なのかなと思いますが」程度の危機感でした。話を聞いていくうちにスミッシング詐欺の可能性が高いと思いました。お持ちのスマートフォンを借りてSMSを見せてもらうと、このようなメッセージを発見しました。

「【smbc】お客様の三井住友銀行口座に対して、第三者からの不正なアクセスを検知しました。ご確認ください。https://smbc-●●.com」

 三井住友銀行の口座を持っていたため、このURLをタップして、氏名・住所の他に、クレジットカード番号・有効期限も入力してしまったとのことでした。キャッシュカードにクレジット機能が付帯していたため、財布から取り出して、その場で入力できてしまったことも不幸の一端でした。

 すぐにクレジットカード会社に不正請求であることを訴えてもらいました。するとカードの利用停止と請求の差し止めの対応をしてもらうことができました。支払日の前だったことと、他にも同様の訴えがあったため、すぐに対応してくれたようでした。その後、最寄りの交番で被害届を出してもらいました。

 今回はクレジットカードの再発行と、不正請求以外は支払うという対応のみで済みました。もし支払ってしまった後でも、クレジットカード会社の調査後に不正利用と判断され、警察への被害届を提出して届出受理番号が交付されれば、クレジットカード会社から補償を受けることができます。

宅配便、税金、公共料金
多岐にわたる詐欺SMS

 三井住友銀行の他にも、三菱UFJ銀行・りそな銀行など、大手金融機関を装って、セキュリティー強化やログイン情報の更新手続きの案内から、偽サイトに誘導する手口が横行しています。

 また宅配便の不在通知や、インターネット通販、動画配信サービスなどのサブスクのクレジットカードの有効期限切れを装ったものや、公共料金や未納分の税金の請求なども同じような手口で行われているのが確認できています。

 また、2021年5月ごろから発生した、新型コロナウイルスのワクチン接種予約の希望者を狙ったスミッシング詐欺には多くの方が被害に遭いました。10月から新型コロナウイルスワクチンの定期接種が開始予定となっており、スミッシング詐欺が増える可能性は大いにあると懸念しています。

 私の見解では、はっきり言って詐欺がなくなることはないと思っています。私たちは自分や大切な人を守るために対応策を知っておかなければなりません。私は日々新たな詐欺の情報に目を光らせています。

 ここからはその対応策をご紹介します。