正解:買うならE社

D社は株価過熱、ここから買うのは危険

 D社は株価上昇ピッチが速すぎ。13週移動平均線からの上方かい離率が30%も開いているところを追いかけて買うのは危険です。

「麦わら帽子は冬に買え」という相場格言があります。

 みんなが麦わら帽子を買う夏に一緒に買うのではなく、みんなが買わない冬のうちに買っておけという意味です。

 猛暑関連株を8月に買うのは遅すぎです。短期的な材料で上昇する株をみんなが買った後に買うのはやめましょう。

 一方E社に派手さはありませんが、株価も業績も堅調。買って良いと思います。

移動平均線からのかい離率が大きくなったら要注意

 株の「売り」「買い」は合戦でぶつかり合う軍隊のようなもの。「売り」が「買い」に勝ち続けると、株は下がり続けます。「買い」が勝ち続けると、株は上がり続けます。

 株のテクニカル分析に必要なのは、戦う両軍を上空から見て、どちらが勝ちそうか見抜く軍略家の眼です。

 勝ちそうなほうに加担して勝ちを稼ぐことを狙います。「強いほうにつく」のが鉄則。「買い」が勝ち始めている時に買い、「売り」が勝ち始めたら売るのが基本戦略です。

 ただし、これには例外があります。派手に勝っている軍隊の戦線が伸び切った時は注意が必要です。

 株価を「前線部隊」、13週移動平均線を「補給部隊」と捉えるとわかりやすいと思います。

 前線部隊が好調で、あまりに速いスピードで敵陣に攻め込んでいくと、後詰めや補給部隊から遠く隔たってしまいます。

 勝ちに浮かれて気づくのが遅れると、敵陣深くで囲まれて壊滅的ダメージを受けることがあります。

 D社チャートは、そのような「兵たんが伸び切った」危険な状況に見えます。

 一方、E社は、前線部隊と補給部隊が、歩調をそろえて、堅実に陣をとっているように見えます。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)