【橋下徹が告白!】「嫌われ者ぶりが僕と似ている」愛すべき自民党の“破壊者”とは写真はイメージです Photo:PIXTA

百戦錬磨の戦略家、橋下徹が提言する2024年の選挙からの“グレートリセット”。今回は、与野党の枠を取っ払い、橋下が「次の日本の政治リーダー」にふさわしい人物像を考案。もちろん、具体的な名前も飛び出して――。本稿は、橋下 徹『政権変容論』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

次の日本の政治リーダーに
ふさわしい人物とは

――「政権変容」の具体的なステップを見ていきましょう。「野党は1つにまとまる必要はない」、そう橋下さんはおっしゃいますが、実際には、バラバラな意見を持つ野党を束ねるためのリーダー的存在が、やはり必要なのでは?

橋下 う~ん、それは難しいんじゃないかな。現在の野党各党の状態を見る限り、どこかの野党からリーダーを出そうとしても、絶対に反対の声が噴出すると思う。かえってまとまらなくなってしまうんじゃないかな。

 そもそも政界は、「俺をリーダーにしてくれ」なんて声が、素直に通る世界ではありませんからね(笑)。妬みとやっかみ、足の引っ張り合いの世界ですから。

「俺を!」と必死になって自薦するより、まずは地方の選挙で首長を獲って政策実行の実績を示し、他薦を目指すのが順当だと思いますよ。

 かなり遠回りのように見えますが、そうすることでしか、次のリーダーは生まれないんじゃないかと思います。

――では現状の自民党、野党の枠を取っ払って考えたとき、どういった人物像なら、次の日本の政治リーダーにふさわしいと思いますか。どんな人物なら、国民は納得するでしょう。

橋下 やはり今の政治不信は、ひたすら「政治とカネ」問題に尽きるわけです。この問題を真正面から受け止め、自分が不利益を被っても改革を行える人物、国民から強く発せられる政治不信の風を受け止めるために大きく帆を張れる人物でないと、国民は納得しませんよね。

国民は与党の政策ではなく
政治家のカネの扱い方を嫌悪

橋下 与党でも野党でも、なんとなく耳に心地いい言葉で「改革します!」と宣言する人は多いけど、なんとなく改革したかのような雰囲気を出すだけでは、国民はもうだまされません。

 そうして考えると、自民党の悪しき慣習を徹底的に突き崩し、かつ自分たちの身の潔白をしっかり証明し、もし正すところがあれば、率先してカネの流れを可視化・改善する案を出していまできることは直ちに実行する人物でないとダメでしょう。

 今は天下国家を論じている場合ではありません。それ以前の問題ですから。仮に与党の政策全般に対して国民が「NO」を突き付けているならば、野党は、与党に代わる新しい国家ビジョンや政策を描かなくてはならないけれど、そうではない。