出会った瞬間に感じる
「第一印象」を重視

 この子どもの頃からの興味の末にたどりついたのが、顔の印象とは、言い換えれば相性でもあるということでした。そこには、相手に対する好き嫌いと共感と反感が横たわっています。極めて主観的なものですが、この相性がコミュニケーションにおいては非常に重要なのです。

 生き方や性格は顔つきや表情に表れます。だから顔を見て得る印象には、その人物の生き方や考え方に対する好き嫌いや共感できるかどうかという、本能的な判断が働いていると言えます。そのため自分が直感的に「いい顔」であると感じた人とは、高い確率で良好な関係を築くことができるのです。

 実際、企業の採用面接においても、出会った瞬間に感じる第一印象を重視する担当者は少なくありません。面接の当初の段階では、顔や表情、そこから生み出される雰囲気以上に重要視されるものはないと思っています。

 採用面接は、「内定の可否を判断する」という目的の定型的な対話の場です。すなわち、一緒に働きたい人物であるのかどうか、自社の風土にマッチする人材なのかどうかを判断する機会であり、そこでは目の前にいる人の顔や表情、雰囲気で判断しようとしているのです。

 その意味で、採用担当者が見て相性の良さを感じる顔であるのは、大きなアドバンテージになるのです。