人事評価は数字だけでは決まらない

 まずはJTCの曖昧な評価体系について理解しなければなりません。

 僕が勤めるメガバンクでもそうですが、JTCの人事評価は定量的な数字だけでは決まりません。これは仕事をする上でのプロセスもしっかりと評価するといった定性評価も組み入れられているからです。

「営業の売上には繋がらなかったけれど、そこに行き着くまでの取り組みが素晴らしかった社員」がいた場合にこのような定性評価が利用されます。

 優秀な営業マンでも常にノルマを達成できるわけではないため、そのような人の救済的な意味合いもあります。

頑張っている「ように見える」だけで評価は上がる

 ただし、この定性評価が悪さをするケースがJTCでは散見されます。その一つが勤務態度です。周りから見て仕事に一生懸命取り組んでいるか、という評価基準です。

 例えば、あなたの会社の同僚で毎日終電ギリギリまで働いている人がいたとしたらどうでしょうか。おそらく、なんとなく「頑張っているように」見えるのではないかと思います。でももしかすると、その人は本当に仕事ができなくて普通の人ならすぐに終わる仕事に手こずっているだけだったり、実はパソコンで遅くまでネットサーフィンをしているだけかもしれません。

 定性評価では、この人のように周りから「頑張っているように見える人」が少なからず高めに評価されてしまう負の側面を持っているのです。