「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・佐藤 里咲)
Q.前向きな気持ちを維持するには?
──社交イベントや勉強会への参加を決めていても、直前になり、気が重くなることがあります。『「静かな人」の戦略書』には、苦手なイベントでも、参加すると決めたからには前向きに参加しよう、ということが書かれていました。気持ちを決めてから、最後まで前向きな気持ちを維持させるコツはありますか?
「本当にプラスになるか」を慎重に考える
ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 私もその気持ち、よくわかります。行こうとしていたイベントが中止や延期になったという知らせを受け取ると、とても嬉しく思ってしまいますね(笑)。
私は、あとから決断を後悔しないように、苦手なことに返事をする際は、とくに慎重に吟味してから返事をしています。
たとえばイベントなどに参加するときには、私は「どうしても参加しなければいけない理由はあるか」や「自分や自分の仕事にどのような関係があるか」を考えるようにしています。
そのうえで行くと決めたのであれば、そのイベントは「自分にとってプラスになる」ものだということです。
そのように、「自分の意志で参加を決めたものであれば有意義なずだ」と自分を奮い立たせて参加します。
後に楽しみな予定をつくっておく
チャン氏 もっとも、そうは言ってもいざやるときがきたら、やっぱり気が重いなと思うことは当然あります。仕事であれば、苦手でもしなければいけないことはありますよね。
そこでおすすめなのは、その仕事やイベントの後に楽しみにできる予定をつくっておくことです。たとえば、カフェに立ち寄って高めのスイーツを食べるなど、小さなご褒美を組み合わせることがおすすめです。
気が重い仕事というのは、やってみるとほとんどの場合、いい収穫があるものです。何かしら学ぶことができると思いますし、最後までやり遂げたということ自体も自信になると思います。
経験を重ねてハードルを下げていく
チャン氏 このように、苦手なことでもポジティブな経験を重ねることでハードルが下がります。
とにかく、やるからには、前向きな気持ちで有意義な経験をできるように努め、ポジティブなサイクルをつくれるようにするようにしていますね。
※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。